朝が嫌いだった。
アラームの音で叩き起こされ、慌ただしく支度をして、満員電車に揺られて仕事へ向かう。そんなルーティンの中で、朝はただ「始まりを告げる騒がしい存在」に過ぎなかった。
けれど最近、少しだけ生活を変えてみた。
30分だけ早く起きて、スマホもテレビも触らず、ただ静かな部屋でお湯を沸かす。それだけのことなのに、不思議と心が落ち着く。窓の外ではまだ空がぼんやりと明るくなっていく途中で、鳥の声が遠くから聞こえる。都会にいても、こんなに静かな時間があるのかと驚いた。
朝の空気は澄んでいて、深呼新規投稿を追加吸をするたびに頭がクリアになっていく。マグカップに注いだコーヒーの香りがふわっと広がり、その瞬間だけは世界が自分だけのもののように思える。この時間を過ごすようになってから、日中のイライラも少しずつ減ってきた気がする。
仕事は相変わらず忙しいし、人間関係に悩むこともある。でも、朝に自分のためだけの時間があるというだけで、「今日もやってみようかな」という気持ちになれる。何か特別なことをするわけじゃなくても、自分の心にスペースを作ることが、こんなにも効果的だとは思わなかった。
日々の中にある「小さな幸せ」は、案外こんなふうに気づかれずに転がっているのかもしれない。特別な日じゃなくても、ちょっとした変化や、自分との向き合い方を変えるだけで、心はじわっと温かくなる。
誰かと比べる必要なんてない。SNSで見かける「充実した朝活」じゃなくてもいい。
自分にとっての“ちょうどいい時間”を見つけることこそが、本当の意味での豊かさなんじゃないかと思う。
たった30分の静かな朝。でも、それが私の一日をやさしく支えてくれている。