「会議って、話す内容よりも“空気”が大事なんですよね」
先日、ある同僚がぽつりとつぶやいた。なんとなくその言葉が頭に残っていて、最近ようやく意味がわかってきた気がする。
会議といえば、「議題があって、それについて意見を出し合う場」と思われがちだ。もちろんそれは間違っていない。けれど、本当に良い会議って、もっと“なめらか”なものだ。誰かの発言に対してすぐに否定するのではなく、ちゃんと受け止めて、自分の視点で返す。それが自然にできるチームには、見えない信頼関係がある。
先日あったプロジェクトのミーティングでは、いつもより空気が和らいでいた。理由ははっきりしない。でも、多分それは「誰かがちゃんと準備してきたこと」を感じ取れたからかもしれない。発表の内容に対して、誰もが真剣に耳を傾けていたし、それに対しての意見も、建設的なものばかりだった。
会議の雰囲気は、意外と目に見えない要素に左右される。
・開始前のちょっとした雑談
・資料の丁寧さ
・「質問しやすい空気」かどうか
そんな小さな積み重ねが、「安心して発言できる場所」をつくっていく。
また、参加者の表情や声のトーン、身振り手振りなどの“非言語コミュニケーション”も、空気づくりには欠かせない。うなずき、相づち、笑顔——その一つひとつが、場の空気を動かしていく。
逆に、ピリピリとした空気の中では、どんなに立派な意見も出づらくなる。言葉を選びすぎて本音が出せない。そんな会議が続けば、チームの成長は止まってしまう。
だからこそ、「伝わる会議」をつくるには、ファシリテーターだけでなく、参加者一人ひとりが“場の空気を整える責任”を持つ必要がある。
結局、会議とは“人と人との対話”だ。
一方通行の説明ではなく、キャッチボールのようなやりとりの中に、ヒントや突破口が生まれる。
話す内容も大事。議題の設定も大事。
でも何よりも、「この場で話しても大丈夫」と思える“空気”をつくること。
それが、会議の成功を決める一番の鍵なのだと思う。